平成14年決算特別委員会 締め括り総括(20分)
平成14年10月17日

誰のためのバリアフリー?障害者は矢口センターを使えない?

荒木ひでき  今年の区民スポーツ祭りで特に印象に残ったもの1つに、矢口区民センターで行われた障がい者スポーツがあります。約80名の障がい者の方が参加してスポーツをやるというものです。そこにエアロビクスをプールの水の中でやるコーナーがあって、車椅子の方が、大きな動きはできないけれど、水の中で立って、いろいろと体を動かしておられました。とても素晴らしいなと感動したのですが、そこに、一般参加の車椅子の方が私も参加したいですといって来られたのです。そしたら、4人も5人もかかって、階段から車椅子の方を一生懸命降ろしていらっしゃる。そして私が一番ショックだったのは、参加している方に言われて区民センターの中に入り、いろいろ歩いてみて初めてわかったのですが、車椅子ではあのプールまで行けないのです。これはバリアフリーを唱える我が大田区としてはいかがなものかと思うのですが、どなたかお答え頂けませんでしょうか。

大田南地域行政センター長  ご指摘のとおり、矢口区民センターのプールはエレベーターが直接利用できないことと、下に降りた後も段差等がありまして、車椅子で利用できる状態にはなってございません。今回、改修するにあたりまして、バリアフリー化の観点から、手すりの取りつけ、段差解消など、可能な対応を行ったところでございますが、建物自体が昭和46年に建てられた物であり、既在の建物の構造をそのまま利用して改修をするという制約の中で、エレベーターにつきましては現状では今の場所しかなく、プールにつきましても、通路幅の問題や段差等の解消ができないということで、工事をすることができなかったと伺っております。ご理解を頂きたいと思います。

荒木ひでき  ご理解なんか少しもしないですよ。区民スポーツ祭りをやっていて、一般参加の方を募集します。どんどん来てください。障がい者の方も来てください。ただ、車椅子やちょっと足の不自由な方はその場所まで行けません。そんな答えでいいのですか。参加する側の立場としてはとても承諾するものではないでしょう。矢口区民センターは場所もいいし、使い勝手もいいし、とても重要な区民の財産だと思うのだけど、これからもできないということを言っているのか。もしそういう方が来た場合に、例えば職員総出で対応するということなのか、どっちなのですか。

大田南地域行政センター長  職員が、バリアフリーの心構えとして、協力することは可能だと思いますけれども、現実的に、例えば降ろしたとしてもその後の対応等を考えますと、当施設をご利用になるのはなかなか難しい状況かなと思っております。

荒木ひでき  それでは改修した意味が全然ないじゃないですか。障がい者で特に車椅子の方はご利用ができませんとでも書くのですか。

大田南地域行政センター長  障がいの方もいろいろいらっしゃると思いますけれども、現実問題として、今の建物の中ではプールを使うことは非常に難しいという状況でございます。


学校週5日制と教育委員会の対応について問う

荒木ひでき  今年の4月から週5日制が始まりました。学校週5日制は、学校、家庭、地域社会での教育や生活全体で子供たちに生きる力をはぐくみ、すこやかな成長を促す。すなわち、地域にお子様をお返しして、子供たちに地域力をつけようという1つの大きな課題があったと思います。私の近所の町会では、たこづくりとか囲碁教室、親子で浴衣づくり、それで気付けも教える。習字の学習、古老の昔語り、百人一首の会などというのを寺子屋で、地域の子供たちが実に楽しそうに活動しています。そこで、私は疑問に思うのです。あそこの町会ではこういうことをやっているよと、地域の出張所などではかなり把握をされているようですが、週5日制を主張した当の教育委員会はどういう形で地域と関わっているのか、是非、教えてください。

教育委員会事務局次長  私どもといたしましては、地域でどのように子供達がそういう催しに参加することができるか、学校を通じて情報を収集しているところでございます。

荒木ひでき  学校を通じて収集をしているだけではなくて、なぜ地域の出張所などと連携してできないのかなと。例えば、新井宿地区なんか本門寺で子供のガーデンパーティーをやった時には、東西南北の地域行政センター長や生活福祉課長がいらしてくれて、子供達と一緒になって体験コーナーで車椅子を押して頑張っていらっしゃる。そういうのを見ていると、これは、これからの協働の素晴らしいひとつの例になるのではないか。東西南北の地域行政センターも地域に密着していて、とても素晴らしいなと思うのです。

何とか自分達の地域の力で特色のある子供達に育てたいなと、たくさんの方が頑張っていらっしゃる。それなのに、縦割り行政だが何だか知らないけれど、横の例えば出張所の関係を活用して、情報を取らなかったらだめでしょうということを言いたいのだけどいかがですか。

教育委員会事務局次長  どうも必要な情報の把握をしていないかのような受けとめ方をされているようでございますが、それは必要な部分で十分していきたいと申し上げている訳でございます。

荒木ひでき  1つ、とてもいい例を出して質問させて頂きます。9月15日に本門寺公園で消火隊の総合発表会があり、大森第三中学の生徒が3人参加していました。こういう地域の密着も、週5日制の1つの意義なのかなととても強く感じたのですが、会場で一番うれしそうな顔をされていたのは区長でした。ぜひ、その感想をお聞かせください。

西野区長  防災というのは何も大人だけがやるわけではないし、危険を察知したら避難をする、あるいは火を見たら消す。これはお子さんでもできることはやってもらいたい。地域の中でそういう取り組みをしてくれていた、これは大変うれしい。実際に演技をやって水が出た。みんなで大拍手をしていました。ほほえましい光景だと思いますし、そういうことで地域の皆さんも子供達と接触をぜひおとりいただきたいと、このように願っております。

荒木ひでき  11月22日に新井宿青少対でパネルディスカッションを行います。地域の人出番ですよと、子供達をどんなふうにして自分達で育てたらいいかという話を集中的にやる予定です。是非、教育長さん、区長さんを始め、理事者の皆様方に、お客さんではなくて一般参加で、地域の人は一体何を考えていて、どんなことをしているのかというのを生で見て頂きたいと思います。教育長、来て頂けますか。

教育長  教育委員会、学校とも、地域と一緒に教育を進めていくということは、基本的な立場です。もし可能ならば出てみたいと思います。今、ご提言頂きましたパネルディスカッションの他にもいろいろな行事があります。可能な限り私どもも出ております。また学校も出ております。それだけはご理解頂きたいと思います。


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